
ラスタッフを使った工法で農業水利施設の長寿命化を推進
株式会社カナエ様
お話しをうかがった方:新潟支店 課長代理 星野 陽様(TOP写真 左)
聞き手:アクセス代表取締役 東 剛(TOP写真 右)/営業部課長 山田 吉純(TOP写真 中央)
株式会社カナエ
本社:東京都港区浜松町2-10-2 カナエ本社ビル
新潟支店:新潟県新潟市中央区笹口1-20-12 カナエ新潟ビル
https://www.kanae.co.jp/
高度成長期に集中的に建設された農業水利施設の老朽化が、全国で急速に進行しています。防食・防水材「ラスタッフ」を軸に、カナエ様と当社がタッグを組んで開発した「鋼矢板超防食セラミックコーティング工法」は、全国各地の用水路・排水路などの補修・補強工事に採用され、日本の農地を守るストックマネジメント技術として存在感を発揮しています。
農業水利施設のストックマネジメントにいち早く着目
《東社長》本日はカナエ新潟支店から星野様にお越しいただきました。改めて、貴社のあゆみと事業について教えてください。

《星野様》当社は戦時中の1941年に創立されました。戦後1947年にカナエ産業(株)として設立、火力発電所、水力発電所用資材の販売を開始しました。現在は総合エンジニアリング企業として、電力会社をはじめ、官公庁、通信会社、鉄道会社、ゼネコン等のお客様に、資機材(OR製品)の販売、工事、技術開発までを提供しています。
《山田》カナエ様は北は札幌から南は福岡まで、全国各地に拠点を設置されています。その中で新潟支店は、用水路・排水路など農業水利施設の保全事業にも力を入れていらっしゃるのが特徴的です。
《星野様》新潟県は日本一の米どころとして、農業土木は需要が大きい領域です。また全国を見渡しても、戦後から高度経済成長期にかけて整備された農業水利施設が一斉に老朽化しているという実情があります。特に水路の護岸に用いられている鋼矢板は、表面の腐食、減肉が進行しており、中長期的な視点で適切な対策を実施することが求められています。
新工法開発プロジェクトが始動
《山田》その鋼矢板の防食材として、約20年前から当社のラスタッフを採用していただいているのですね。
《東社長》耐用年数が長い、湿潤面にも塗布が可能などさまざまな利点があるラスタッフですが、それだけで公共工事の受注につながったわけではありません。当社とカナエ様、そして地元ゼネコンにも加わってもらい、ラスタッフを使った新工法の開発に取り組みました。
《山田》「鋼矢板超防食セラミックコーティング工法」ですね。私は当時のことを知らないのですが、新工法を開発するうえで一番の課題は何だったのでしょうか。
《星野様》当時は水利施設の老朽化が課題になってはいても、補修・補強の技術や工法の基準はまだ確立されていませんでした。他分野の補修工事で採用されている基準を参考にしながら、自分たちで「これが適切だろう」と品質を判断し、施工フローを組み上げていった経緯があります。


《東社長》発注者の自治体だけでなく、地権者である農家の方々にも意見も聞きながらさまざまな試験、検証を行い、デモ施工も実施しました。
《星野様》初めて工事を受注したのは2006年のことです。その後、2019年に農林水産省が補修・補強工事に関するマニュアルを策定しましたが、私たちが開発した工法は規定の品質規格をクリアすることができましたので、目の付けどころは間違っていなかったわけです。
ラスタッフを使った工法を全国で展開していく
《星野様》全国の水路で用いられている鋼矢板をすべて更新するとなると莫大な費用がかかります。コーティングで腐食の進行を抑制できれば、農業水利施設の長寿命化を可能にし、ライフサイクルコストの低減につながります。
一般社団法人 農業土木事業協会が発行する『農業水利施設保全補修ガイドブック 2024』で、鋼⽮板⽔路の補修(防食)工法の有機系被覆工法の中で、品質規格に対する適合性がA区分で掲載されているのは私たちの工法が唯一です。東社長もご存知のように、ガイドブックをご覧になった各地の自治体や、土地改良区、コンサルタントからの問い合わせが増えています。
《東社長》どこよりも先に走り出したことで、大きなアドバンテージを得ることができました。
《山田》今日初めて、この工法の開発秘話を知り、驚きました。私は一級土木施工管理技士の資格を持ち、これまでさまざまな現場で施工管理に携わってきましたが、今後は技術的な知識や施工管理の知見を活かしながら、営業としてカナエ様をサポートできればと思っています。
《星野様》農業水利施設の保全事業は、カナエ新潟支店発で全国区へ進めていく事業です。地場の建設会社とのマッチングなど課題もありますが、当社とアクセス様で強みを出し合って連携し、全国で施工を展開していきたいですね。
